演奏法の進化 その5『Stick はギター?』

演奏法の進化 by エメット・チャップマン

evolution_figure_6MIDIの導入

他の楽器と同じく、Stickは進化し続けます。最近はIVL社のMIDI技術により2本のStickの メロディ弦にMIDIを取付けました。MIDIの値段は$900です。中古Stickに取付ける場合も同じです。 次は全ての10弦にMIDIを使えるのかを調べます。

生産

アイロン・ウッドStickの生産は最後まで自分の作業所で行い、70本ずつ製造しています。 もう1つの生産ラインで1986年から射出成形ポリカーボネイトStickを製造しています。希望によって、 カスタム・チューニングもできます。ダブル・ギターやギター+バイオリン、ギター+スタンダード・ベース、 4度ベース+5度ベース、左手モデル、フレットレス等など今まで様々なカスタム依頼がありました。 (1987年に坂本龍一のアルバム「Neo Geo」で私がカスタム・ダブル・ベース・チューニングのStickで参加しました。)

Stickはギター?

新しい演奏法を発見した1969年までの10年間、私はギタリストでした。主にはギタリスト、 特にジョン・マクラフリンからインスピレーションを受けました。この楽器に「Stick」と名づけたが、 確かにギター・ファミリーの弦楽器です。だから、この演奏法はStickだけではなく、全てのフレッテッド弦楽器に 使うことができます。

新しい楽器を創ろうとは思いませんでした。自分の指、音楽でStickが自然にできました。 従って、1974年以来生徒にいってきたように演奏法の方を大事にしています。「Stick」は商標名だが、 ギター・ファミリーの弦楽器です。両手演奏法はStickに適しているが、ギターにも使えます。実は、 マイケル・ヘッジズ等最近の両手タッチ・ギタリストの音楽が好きです。

多くの両手タッチ・テクニックを使うギタリストは、右腕が横に、弦に対して平行に演奏します。 この構え方で簡単にタッピングからピッキングやプラッキングに変えることができます。複雑にからみ合った 両手メロディ・ラインや、左手のフィンガリングに対して右手で装飾音を弾きます。この奏法は エディー・ヴァンヘイレンやデヴィッド・トーン等のミュージシャンによく見られます。しかし、私が演奏し、 教えてきた両手演奏法は、これらと違うタイプのものだと思っています。